2015年10月3日土曜日

病院の待合所にて(身近な風景)

先日のこと。

規模は小さいけれど、とりあえず看板は「総合病院」。

そこの待合室(待合というには広いから待合ホールかなぁ)で
見かけた風景。

「△科」の診察室前のシートに座っていた。
80歳前後のご夫婦らしき男女。
男性が診察終えたらしく、
漏れ聞こえる会話。

「薬の手帳って、私が持っていたかねぇ?」
「いや、分からん。なんだそれ?」

「お薬手帳」が見当たらないらしい。
バッグの中をガサゴソ探す老婦人。

なんだかんだの二人の会話が続いた。

「あそこで(薬局の事だと推察)手帳のこと聞いてみなきゃぁね」
「どこで?なんで?」

「今はね、お薬もらうのにその手帳がいるんだって」

看護師が診察カルテを手に外来診察室の受付から出てきた。
「今度は〇科に今一度戻ってください。
先ほどMRIを撮ったようですが、その結果が出ていますので、
結果説明を受けてください」と。

老ご夫婦「きょとん」とした表情。

「あぁ、あっちは終わったし・・・」

「いえ、結果が出ているので説明があります。
カルテもそちらにあるので結果説明を聞いてから
それをお持ちになって次回の予約と会計へお進みください」

「カルテ????」

この病院はね、予約診察の時は事前に受診希望の科に
カルテが運ばれていますが、同日に2科の診察をするときは
時間的に重なるようなときや
(予約していても診察時間がずれたりすることもあるし)、
今回の老ご夫婦のように検査と結果の時間が開いてしまって
その間に別の科の受診となると
カルテのファインダーから受診する科のカルテだけ別に渡されて
第二受診ということになるのです。
そして受診すべてが終わると、自分のカルテのファインダーを
自分自身で予約センターに運び(次回予約があれば)予約をして
そしてまたそれを持って会計に提出です。

(こうやって説明書いている私自身がこんがらがってしまうわ)

病院にかかっていればかかっているほど、
カルテのファインダーの厚さと重みは増してくるのです。

看護師、老ご夫婦が理解するまで2~3回同じ内容を説明。

結局、カルテの仕組みを説明するのを諦め、
「MRIの検査結果が出ていますので、〇番のところへ行ってください」。
その声がちょっととがっていたっけ。
その気持ちもわかるけれど、
ファインダーから△科のカルテだけ抜き取って渡されたとは
思ってもいない老ご夫婦。

きっとMRIを撮った科で、「△科の診察予約が入っていますから、
これを持って△科の受け束窓口へ行ってください。」って
△科のカルテを渡されたと思うのです。

看護師、ベテランの部類に入るという年代とお見受け。

まぁね、わたしも「何度同じこと言わせるの!」って
いう気持ちはわかるけれどね。

医療現場で時間に追われているのもわかるけれどねぇ。

「あんた、プロでしょ?」と。
プロが現場でとがるんじゃないよ。ですよね。


多分私もそばでそのやり取り聞いていて
呑込めないのかなぁ・・・・
年齢を重ねるとこうも理解するのに時間がかかるのかなぁ。って。

でもね、カルテの大元のファインダーが〇番にあるので
それを・・・・
と言われたって、いま目の前の「△科」で診察受けたカルテは
その看護師からたった今渡されたし。
「カルテ?カルテの大元ってなんだ?」って、
ご夫婦の頭の中はグルグル回っているんだと思った。

「〇番の診察室へ行ってこれを(この科のカルテ)出して
そちらの看護師の指示に従ってください。」でいいんじゃないの。

MRIの検査結果の説明を聞いたら、〇番の看護師が、
分厚く重いカルテのファインダーを渡し、
「予約センタへ寄って行ってください」ていえばいいし。
予約センターで予約が済んだら、
そこで「これをもって会計へ行ってください」って。

そうそう、小分けに進むほうへ指示すればいいことで、
一度に
「△科の診察は終わったから、〇科へ戻り結果を聞いて
カルテを持って予約センターで予約して、
会計カウンターのカルテを出して会計を終えて
院外処方箋で処方薬受け取っていってください」。


アレしてからコレして、そうしたらコウコウだからコウしてね。
ソレが済んだらアアすればコウなるからね。
そしたら、はいお仕舞よ。

一度に理解できる行動の指示はいくつまでなんだろう。

いつかは訪れる確率が高い
小分けで行動指示を受けるという域に入るということ。


新しい大病院のシステムに戸惑うのに。
次から次へ進化するテクノロジーに伴って、
病院に限らず、社会全体が新しいシステムが導入。

マイナンバー???

使いこなせるかなぁ。


そうそう、金木犀が今年も二度咲きしています。

コスモスとラベンダーが同じ鉢の中で風に揺れています。




2010.4.30 庭んぽ



2010.9.10 お互いの温もり感じて・・・

抱っこしたときの温かさ。
小さな舌でペロペロしてくれた時のあの暖かさ。
ベルベットのような手触りを持ったうなじの毛。
シッポをコチョコチョしてもされるままジッとしていてくれたっけね。




★頂いたコメントの返信

*りんママさんへ
「取扱説明書」・・「取説」・・と同じなんですよね。
扱い方がわかっている人が、用語がわかっている人が書いている。
由って、全く知識のない人が読んでも理解するに時間がかかる。
システムの中にどっぷりつかった人には理解できても、
病院て毎日行くわけでないし。
もっと規模が大きければ、「病院コンシェルジュ」と称する
人を配置している所も最近チラホラ。人件費の問題???
人と人の間に機械が入ると便利のようで理解しにくいことも
多々出てきます。
ちょっとした時間で済むのに。口に出す「言葉」。

WMAをMP3に変換・・・・・検索しながら何枚もタブを開いて。
ひとつのPC画面でできるので便利は便利ですが、
最終的には、WMAな何ぞや?MP3とは何ぞや?なんて
詳細記憶に残っていない。
変換できた!いやよかった!   ですわ。
アナログって残してほしいものですね。
  (2015.10.6pm3:30 追記)

1 件のコメント:

りんママ さんのコメント...

先日の母の脳ドック検査でも、2つの事は理解できても、3つめの事が抜けてしまいます。
記憶に残らないので、聞いてない。。。、母も認識出来たのはよかったですが。
加齢の症状でもありますから、気が付いてる方が気をつけるしかないと再認識(苦笑)


人間も動物病院もコンピューター化が進み、昨今の電子カルテシステムが導入されてから、現場での余裕がなくなってきているように感じます。

以前のような手描きのカルテならば、一声掛けて判りやすいので。
このようなイライラな状況は起きにくいと感じています。

結局は、便利になったようで、現場ではヒトが機械に使われているんです。
改善の余地はあるはずなのですが、如何せん開発時には現場を知らないことも多いから血が通ってないシステムになるのでしょう。
手描きすることで、医療側も数をこなしててもカルテをみれば、記憶の引き出しがあきますが。
キーボードでは、それは自分の脳の記憶としては残りません(仕事柄、実感です)。

実際に聴診器すら電子化ですから、こんな状況で災害で電源喪失の場合医療の安全は・・・と感じています。
五感を働かせることが、機能を劣化させないこと。
アナログは、メンテもしやすい(人の場合は、調べることで知識の上書き)ので強いのだと思います。

長文失礼しました(^^;)