2013年3月2日土曜日

ある日、鍋のふたが・・(身近な風景)

ある日のこと、キッチンの流し台の上の棚から鍋を出そうと思って
・・・いつのころからか爪先立ちでさえ届きにくくなった棚。

踏み台、はたまた食卓の椅子を持ってくるのも面倒と思い、
爪先立って、ウ~ンと手を伸ばす。
・・・食卓の椅子なんかすぐ後ろにあるのに。
踏み台もすぐそばのあるのに、その移動さえ面倒くさくて
・・・・指先が鍋の柄に触れた。
ほらもう少し。もう少しで手が届く。と思った瞬間。
鍋のふたが落ちてきた。
どこに落ちてきたかって?
上手く避けたはずが、
見事に左側おでこを一撃。
額がかち割れるのかと思った。
そして思った。人間の頭ってそんなに軟じゃないんだ。とね。

当たった当日は、膨らんで赤くなっていた。
そして青くなって、今では青と黄色の間・・緑っぽい。
わたしゃ、もしかしてこのまま「アバター」に変身遂げるのか?
なんて、鏡見ながら思った。


いまどき、ホウロウ鍋?と、画(え)を見ている方もおられよう。
年々「背」が縮んでいるいることが確かな年代。

ホウロウ鍋も買い替えられずにいる年代。
今日出来たことは、明日も出来るだろうと思っている年代。
昨日出来たことは、今日も出来るだろうと思っている年代。

まだ届く。まだ大丈夫と思う年代。
踏み台なんかいるもんかと思う年代。
わざわざ椅子の上に上がることもないだろうと思う年代。

痛い目をしてやっと、「自分の年を自覚しなくてはいけない」と
自分自身に言い聞かせる年代になったんだと、思う年代。

そしてすぐにそれも忘れて、同じことを繰り返しかねない年代。





鍋は棚から降ろした。
下の物入れに入れた。
二度と痛い目に合わ無い様に。・・・


明日はひな祭り。
「お雛様、きれいだね。可愛いね」と横目で見ながら


桜餅…「道明寺」が好み。 
濃いめのお茶で頂く・・・うぅ~ん、幸せ気分。
お口の中は春満喫。(^O^)♪


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